管理が問われる会社のマスコットキャラクター

会社のマスコットキャラクターは、実に管理が大変な代物です。一見すると一度作ってしまえば、別に管理の必要もないのではないか、管理が必要だとすれば着ぐるみではないかと思う人も少なくありません。しかし、この場合の管理というのは、マスコットキャラクターの設定です。最初に細かく設定をすると後になってその設定が災いする可能性があります。また、勢いでいくつものキャラクターを作るのはいいものの、それを維持していく、それを活用して、会社に貢献していくことが段々と難しくなるため、そのあたりの管理が問われます。
管理の難しさを象徴するケースとして、コミュニケーションの難しさがあります。最近では双方向のやり取りがポピュラーであり、SNSを通じた交流というものがブームとなっています。それによって爆発的な人気を生み、多くの人に支持され、どんどん知名度をアップさせたケースもありますが、SNSなどを意識せずに作ったために、コミュニケーションが難しいマスコットキャラクターも存在します。また、SNSを意識した作りにする場合でも、それまでのものをいかに穏便に退場させて、新しいものを登場させるのかというのが実に難しいのも言えます。
次に、どこまでの利用を認めるかということです。自治体のマスコットキャラクターでは、無料や安い値段での貸し出しを認めており、イベントなどで利用することを認めるケースがあります。会社のものに関しても、貸し出してほしいという要望があれば、貸し出してくれるケースがほとんどです。ただ、どこまで貸し出しを認めるかというのは実に難しいものがあります。イメージが大事な会社では、下手に多くのところに貸し出すと、場合によってはイメージを下げることも考えられます。運用をしていくうえでの指針を最初から設定することも必要となります。
勘違いしがちなのは、会社のマスコットキャラクターが主役になってはいけないということです。目立たせようとするあまり、結果としてキャラクターばかりが知られるというのでは、あまり成功しているとは言えません。あくまでも主役は商品やサービスであり、それを媒介する存在がキャラクターであることを、管理するうえでは大事です。そして、現在進行形での話題をどんどん提供していく際にも、制限を設けておくことも大事です。そうした意味では、1度作ってしまうとそのあたりの管理をしなければならないため、慎重な運用が求められます。